「タカラヅカ外国語シリーズ」スペイン語、第3弾の歌詞編です。
第1弾から続いている「El Cumbanchero(エル・クンバンチェロ)」という有名なラテン音楽の解説ですが、この記事でようやくすべての歌詞の意味が分かるようになるかと思います!
今回は残りのAメロの歌詞のスペイン語を取り上げていきます。

歌詞に出てくるスペイン語
Y suena así el tambor ríquititi
イ・スエナ・アシ・エル・タンボル・リキティティ
そして太鼓がドコドコ鳴る
[i ˈswena aˈsi el tamˈboɾ ˈrikititi]
《Y suena así el tambor ríquititi》(イ・スエナ・アシ・エル・タンボル・リキティティ)は、
一部口語表現も入っているので和訳が難しいですが「そして太鼓の音が聞こえる」とか「そして太鼓がドコドコ鳴る」というような意味かと思います。
- 《y》(イ)は「そして」という意味。(英語でいう and です)
- 《suena》(スエナ)は、「(音が)鳴る」「(音が)聞こえる」という動詞の《sonar》(ソナール)が主語に合わせて変化した形。
(スペイン語では主語に合わせて動詞の形が変化します)
この《sonar》(ソナール)という動詞は、実は前回も出てきましたね。
- 《así》(アシ)は副詞で、前述の《y》(イ)「そして」と一緒に使われる場合「それで」という意味になるかと思います。
※ほかにも「それで」「そう」「そのように」「だから」などさまざまな意味をもつ副詞です。
- 《el》(エル)は定冠詞(英語でいう the )。
- 《tambor》(タンボル)は「太鼓」「ドラム」のこと。
- 最後の《ríquititi》(リキティティ)は、前回の記事で出てきた《riquiti》(リキティ)によく似ていますね!
こちらもスペイン語話者によると「マラカスを振った時に出る速くて陽気なリズムを連想させる擬音語」のようです(この場合はマラカスでなく太鼓ですが)。
上記をまとめると《Y suena así el tambor ríquititi》(イ・スエナ・アシ・エル・タンボル・リキティティ)は、
「そして太鼓の音が聞こえる」というような意味かと思います。
擬音語の《ríquititi》(リキティティ)を日本語風にするなら「そして太鼓がドコドコ鳴る」とかでしょうか?(ダサいか…?)
曲のリズム感と熱気が伝わるようなもっと良い擬音語があればどなたか教えてください…!
口語表現(俗語)の一種なので辞書には載っていないのですが、
《ríquititi》(リキティティ)も《riquiti》(リキティ)も、X(旧Twitter)などのSNSで検索するといろいろな使われ方をしているのを見ることができて面白いです。
全体的に気分が高まってリズムに乗りたくなったときに使うような印象を受けます。
さらに、この《ríquititi》(リキティティ)の部分は歌い手によって歌詞が異なったりもします。
例えば《veriquití》(ベリキティ)とか《riquitiquiti》(リキティキティ)と歌われたり。
いずれにせよ擬音語なので、意味を深く考えずノリで歌うのがよさそうです。
bom bom bá ボン・ボン・バ
[bom bom ba]
こちらは「ボン・ボン・バ」とリズムを取る歌詞です。
「チャチャチャ~」「ラララ~」「ダバダバダバ~」みたいな感じです。
《bum bum bá》(ブン・ブン・バ)と歌われるパターンもありますね。
音とリズムを楽しめたらいいので割と自由です!
y vuelve a repicar ríquititi
イ・ブエルベ・ア・レピカール・リキティティ
そして再び太鼓をドコドコ叩く
[i ˈβwelβe a repiˈkaɾ ˈrikititi]
《y vuelve a repicar ríquititi》(イ・ブエルベ・ア・レピカール・リキティティ)は
「そして再び太鼓をドコドコ叩く」といった意味かと思います。(ドコドコはやっぱりダサいか…?)
- 《y》(イ)は「そして」という意味。(英語でいう and です)
- 《vuelve a》(ブエルベ・ア)は「再び~する」という意味の《volver a》(ボルベル・ア)が主語に合わせて変化した形です。
(スペイン語では主語に合わせて動詞の形が変化します)
ちなみに《vuelve》(ブエルベ)が動詞で《a》(ア)が前置詞です。
- 《repicar》(レピカール)は「(祝祭や歓びの印として楽器を)繰り返し鳴らす」ことを表す動詞です。
- 《ríquititi》(リキティティ)は既出の擬音語ですね。
これらをまとめると《y vuelve a repicar ríquititi》(イ・ブエルベ・ア・レピカール・リキティティ)は、
「そして再び太鼓をドコドコ叩く」といった意味になるかと思います。(ドコドコ、、)
あとがき
以上でやっと「El Cumbanchero(エル・クンバンチェロ)」のすべての歌詞のスペイン語を解説し終えました!
しかし長かったですね…。
有名なラテン音楽ですが、最初から最後まですべての歌詞がスペイン語の割には意味を知る機会もなかなかないですよね。
この機会に知ることで楽しみ方もまた変わってくるのではないかと思います。
とは言え、そもそもが歌詞の意味よりも音の響きやリズムの流れを楽しむような曲なので最終的に大事なのはノリかも知れません…!

参考文献:
- “Diccionario de la lengua española.” Real Academia Española, n.d., https://dle.rae.es/. Accessed 15 Sept. 2025.
- “Diccionario de americanismos.” Asociación de Academias de la Lengua Española, n.d., https://www.asale.org/damer/. Accessed 15 Sept. 2025.
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