サイト内検索
台詞(せりふ)ユウ
管理人
個人的な自由研究の場として、宝塚歌劇への愛とリスペクトを込めてサイトを運営します。

宝塚歌劇に出てくるフランス語① 慣用表現(セラビ、サンテ、ブラボー他)

台詞(せりふ)ユウ

宝塚の公演って、
やたらフランス語が出てきませんか…!?

こんにちは。台詞(せりふ)ユウです。

宝塚のお芝居やショーを見ていると、特に説明なくフランス語のセリフや歌詞が出てくることってありますよね。

文脈でなんとなく理解はできるけど、「本当はどんな意味なんだろう?」と気になったことはありませんか?

そんな疑問が解けると、観劇がより一層楽しくなるはず!

ということでこの記事では、宝塚歌劇に登場するフランス語の意味や表現をできるだけわかりやすく、詳しく解説していきます。

タカラヅカ外国語シリーズ」と称して、ほかの言語についても書いていく予定です。

このシリーズでは分かりやすさと探しやすさを重視し、一貫してカタカナ発音を記載しています。
外国語本来の発音は、発音記号音声再生ボタンからご確認いただけます。

↓ほかの外国語まとめはこちら(順次追加します)

目次

フランス語の慣用表現

C’est la vie セ・ラ・ヴィ(セ・ラ・ビ) これが人生

[sɛ la vi]

おそらく聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

ざっくり「これが人生」とか「物事はそういうもの」という意味で、フランスでは本当によく使われる表現です。

C’est》()は英語でいう《It’s》です。
la》()は定冠詞(英語でいう the )で、最後の《vie》(ヴィ)は「人生」。

ネガティブな状況に直面したときに、達観して「人生、そういうこともあるさ」「世の中こういうものだ」「これが世の常だ」という感じで使うことが多いです。

2024年 雪組『ベルサイユのばら』より「セラビ・アデュー」
ストーリーのネタバレがあるので注意です

(繰り返し再生する場合は 2:37~)

ちなみに:フランス語の単語には性別がついている

フランス語には男性名詞と女性名詞があります。

例えば、《C’est la vie》(セ・ラ・ヴィ)の《vie》(ヴィ)は女性名詞の一つ。

男性名詞と女性名詞の見分け方ですが、《vie》(ヴィ)のように、単語の末尾が《eで終わるものは女性名詞であることが多いです。(例外もあります。)

また、《vie》(ヴィ)の前についている定冠詞の《la》(ラ)も実は女性形の単語。

定冠詞はそのあとに続く単語の性別によって綴りも発音も異なります

男性形は《le》()、
女性形は《la》()、
複数形※男女関係なし は《les》()です。

定冠詞はこれからほかの記事でも出てくるかと思いますので、ぜひチェックしてみてください。

C’est parti セ・パルティ さぁ、始めましょう

[sɛ paʁti]

さぁ、始めましょう!」「さぁ、行こう!

開始の合図として、試合などを勢いよく始めるときの掛け声です。

parti》(パルティ)は、
《partir》(パルティール)という動詞が変化した形(過去分詞)です。

動詞の《partir》(パルティール)は「(目的地に向けて)出発する」とか「(ある地点から)始まる、開始する」という意味。

なので、《C’est parti》(セ・パルティ)は「物事が始まった(動き出した)よ!」というニュアンスの表現です。

2023年 雪組『ジュエル・ド・パリ!!』で、「C’est parti, 2023!!」という掛け声があったのが印象的でした。

ちなみに:フランス語の《r》の発音は独特?

C’est parti》をカタカナで書くと「セ・パルティ」ですが、フランス語の発音をよくよく聞いてみると途中で「とは言っていないのが分かります。

日本語を母語とする人にとって発音が非常に難しいのですが、喉の奥の方で空気がふるえるような音です。

どちらかというと、「ラ行」というよりは「ハ行」に近いような音です。

Santé サンテ 乾杯

[sɑ̃te]

乾杯するときの最も一般的な挨拶です。

santé》(サンテ)は直訳すると「健康」という意味ですが、挨拶の時には「乾杯!」となります。(相手の健康を祈ることが由来です。)

2017年~2018年 花組『Santé!!』より「Sante!!」

(繰り返し再生する場合は 3:20~)

À votre santé ア・ヴォートル・サンテ あなたの健康に乾杯

[a vɔtʁə sɑ̃te]

上述した《santé》(サンテ)の元々の表現です。

à》()は「~に」「~で」を表す前置詞(英語でいう at のようなもの)で、
votre》(ヴォートル)は「あなたの」を意味します。

元々は乾杯の時に《À votre santé ! 》(ア・ヴォートル・サンテ)と言っていたのが、
短くなって《Santé ! 》(サンテ)になりました。

よく使う表現が次第に簡略化されるのは日本語でも同じですね。

2017年~2018年 花組『Santé!!』より「Sante!!」

(繰り返し再生する場合は 5:34~)

2017年~2018年 花組『Santé!!』振付講座より

初日映像では主題歌がほぼ流れなかったのですが、
ありがたいことに振付講座の動画にて長尺で歌われていました!

(繰り返し再生する場合は 1:24~)

Bravo ブラボー(ブラヴォー)

[bʁavo]

称賛を贈るときに使われる有名な表現ですね!

実はイタリア語からきた表現です。(詳しい内容はイタリア語の記事にて解説します)

あとがき

宝塚の公演を見る中で家族から「これはどういう意味だったの?」と外国語について聞かれることがあるので、せっかくなら記事にして残そうかと思い、このシリーズを始めてみることにしました。

記事を書くにあたって実感しましたが、宝塚に出てくるフランス語ってやっぱり多い気がします………!!
まだほんの一部しか書けていないです。

これだけたくさんのフランス語が出てくるのであれば、知っているのと全く知らないのでは楽しみ方に差が出てきそうだな~と感じました。

最後に少し雑学的な話をすると、英語の語彙の6割はフランス語(と、フランス語の元になったラテン語)からきているので、フランス語と英語どっちも学んでいると少し楽しくなるのではないかと思います。


参考文献:
Larousse. Larousse.fr. Accessed August 18, 2025. https://www.larousse.fr/dictionnaires/francais/.

当サイトの外国語音声は©ondoku3.comを使用しています

この記事をシェアする

コメント

コメントする

       

       

目次